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【レポート】第2回 悠々読書会 8月26日

まだまだ暑い日が続きますが悠々読書会は元気に第二回を終えました。

レポートを作成しましたのでご高覧くださいませ。
なおQAは紹介をうけて行われた会話の一部抜粋です。Aは必ずしも紹介した方からの回答ではありません。

▼反脆弱性(上下)

本書ではリスクに対して脆弱でないあり方をすれば良いのではないかと考えている。
物事がリスクから利益を得るようなあり方を推奨している。
金融商品のオプションを購入するのも選択肢の一つ。万一の事が起こったときに得る利益は莫大ではないか?
社会の存続のためにも考えられるのではないか?
Q:ギャンブルで裏の目に備えて保険をかける事はあります。どう違いますか?
A:本書でのリスクとは予測できないリスクを指している。このため反脆弱性には予測に頼らないというのが含まれている。そこが異なる。
Q:農業でもリスクを考えることは重要。
A:似ている。年功序列が崩れてきた、周期的に金融危機が起こるようになっている、など指摘される現在、仮説をたて、影響をうけるものに対して、脆弱性が露呈したときに備えを施しておくのが大事。
Q:対処としては金融投資?
A:yes、本書では福島が事例としてあげられている。リスクを上回る対処の仕方でないといけないように書かれている。
Q:では予算が増大するのでは?
A:原発ほどであれば相当な予算をつぎ込んで然るべきであろう。

未来を過去の続きとして捉えるのは誤っているのではあるまいか。
フットオプションを日常的に購入しておくのが良い。
中央集権的なものは脆くて分権的なものは反脆弱である
影響をうけるものに対して、脆弱性が露呈したときに備えを施しておくのが肝要なのである。

・まわし読みした感想
著者の言葉遣い、エスプリが効いていて面白い。
社会を冷静に見つめている。

反脆弱性[上]――不確実な世界を生き延びる唯一の考え方

反脆弱性[下]――不確実な世界を生き延びる唯一の考え方

▼殺戮の世界史: 人類が犯した100の大罪

人類史において人がたくさん死んだ事件は何だろう?
しばしば古代の事件の数字の信憑性が疑われるが、古代の人間は数字を読めなかったのか?
過去の数字は信頼できないと言われている。
ところが現代においてもイラク戦争で最小と最大の数字に差があるではないか。
古代と現代でそんなに差があるのか?
現代の数字だから信用できるといったものではあるまい。
当然ながら本書でも著者のスタンスの反映された取り上げ方ではある。

独裁者のいる時代の方が死者数は少ないのではあるまいか?
英領インドの飢饉は酷い。イギリス本国では港で食料が腐るほどあるのにインドでは飢餓で大量死が生じている。
戦争も酷いが飢餓や失政に代表されるような非暴力の問題で多くの人名が失われている。

著者は図書館のデータベースを使って情報収集している。
信頼性あるデータベースにアクセスして導き出したようだ。
著者は統計の好きな人。
統計の視点で評価して面白い一冊ではあるまいか。

・まわし読みした感想
事典のような一冊。よく整理されていて、皮肉もある。
陰惨で直視したくない出来事ばかりだけれども、繰り返したくない出来事を知っておくのは有意義だと感じる。
書棚に一冊置いておきたい。

殺戮の世界史: 人類が犯した100の大罪

▼概説 世界経済史

Ⅰ巻
メソポタミアは湿地帯だったので農耕に労力を要する。このため最初の農耕が行われた土地ではなかった。もっと労力を必要とはしない地形でこそ農耕は始まっていた。
だが労力を集約できるようになることで共同体が発展するようになっている。
本書では人間の認識の変化も発展のためには大事だと指摘されている。

Ⅱ巻
産業革命以降が語られている。
本書では北方ルネサンス的な状況について触れている。
オランダの経済的発展の地の利が指摘されている。
水力で得られたエネルギーは軽視できないが、これは地形の恩恵である。
また北欧諸国では公教育、識字率、大学制度、自然科学と有利な条件が揃っていた。
全般的に学問の水準の高かったのが北欧であり、対象的にイギリスは公教育がもうひとつだったので伸び悩んだのである。

Q:貨幣経済や商品経済はどう語られていますか?
A:必要に応じて触れている。貨幣経済、昔は金属だけではなかった。牛のツノなど使用されていることを知った。意外で面白かった。

オランダの産業の発達は造船業を原動力としていた。
綱や帆の繊維業の発達が見逃せない要素である。
連関効果が大事なのだと教えてくれる。

Q:水野和夫いわく「もうそろそろ資本主義は終わる」どう思いますか?
A:肝心の20世紀パートを未読であるが格差のようなものは古代からあったと考える。難しい問題が含まれている。

ローマ帝国の滅亡だが、経済的な要因として、様々な技術を働かない人たちこそが保持していた。働く人が保持していなかった。
このため中世は貧しくなっている。
人工知能の時代となると技術が一部に集中するリスクが懸念される。

Q:働かない人とは貴族のこと?
A:そうです。

Q:軍事よりも灌漑施設の破壊の方で人がたくさん死んでいる。砂漠化など。
Q:資本主義の先とは?社会主義的になると言われているようだが?
A:水野和夫の指摘によると、利率の向上を見ててある種の行き詰まりが読み取れる。そしてフロンティアが消滅している。だが資本主義はフロンティアを必要とする。
A:技術革新は一種のフロンティアではないかと考える…。
A:イーロンマスクの火星進出がそうかもしれない。
Q:先進国が軒並み高齢化している、それをどうやって支えていくかが問題ではないか?
A:あまり明るい未来を思い浮かべられない。
A:治水が王権を生んだ古代に環境に適応して人間社会が変容した前例がある。宇宙時代になればそれに見合った形に変容するのではないか。想像がつかないが。

人間がうまく利用できた動物は10種類くらいしかない。
そういうことに成功した文明がのちのち発展している。

・まわし読みした感想
本書では生産力の変遷に着眼しているようです。
また関心の対象がヨーロッパであることも前書きで明記されています。
対象を限定しているからこそ思考訓練の素材となりうる書籍なのでしょう。

概説 世界経済史〈1〉旧石器時代から工業化の始動まで

概説 世界経済史〈2〉工業化の展開から現代まで

▼シェフを「つづける」ということ
▼POUR YOUR HEART INTO IT

前者はシェフに着目して取材している。
名の無いシェフを取り上げている。

後者はスターバックスの創業者の伝記。
スターバックスはコーヒーの文化を広める事が事業の出発点だった。
創業者のイタリアでのコーヒー体験に根ざしている。

世界のコーヒーを紹介している店舗が近くにあり、その店舗をお手本にしている。
起業してからは手本のお店を買い取った。

立地を大切にして徐々にチェーンを広げている。
また、エアラインと提携して美味しいコーヒーを提供する事のみならず提供する人を教育するようにしている。

Q:スターバックスといえばシアトルの一企業からグローバルにのし上がって、うまくやった企業のイメージが強かった。理念型の企業だとわかって目から鱗が落ちた。
A:それは何より。

続きがある。アップルのジョブスのように創業者は解雇されて復帰している。
解雇された後の本もある。読むつもり。

シェフを「つづける」ということ

Pour Your Heart Into It: How Starbucks Built a Company One Cup at a Time (English Edition)

・まわし読みした感想
英語の原書が紹介されて場が沸騰しましたが、手にとってみると平明な英語で記述されていて、これならσ(゚∀゚ )でも読めるかも、と思えました。
和訳はされていないようです。
シェフを「つづける」ということ、市井の職人に目を向けていて、人の生きた証が浮かび上がっていると感じます。

▼クレオール・ニッポン──うたの記憶を旅する

名も無き庶民の歌を紹介している。
そのままでは埋もれてしまう歌を掘り起こして紹介している。

クレオールニッポンとは著者の造語で多様化した日本語の歌のことだが、四国の山奥の歌も掘り起こしているのでひろく「日本人の生きた証の歌」といった意味合いで捉えると良い。

福島の大漁の歌、ブラジル日系人の歌、ハワイ日系人の歌、多様性ある。
長崎のキリシタンの歌では埋もれようとしていた歌が著者によって掘り起こされており、その経緯が感動的である。

著者の訪問した大西洋諸島に、そこにも日本人の生きた痕跡があった。
遠洋漁業の乗組員の発していた「サイコー」の音が島民に受け入れられていて「サイコー、サイコー、サイコーサイコーサイコー」と繰り返す歌、人気がある。
著者が歌うと陽気に乗ってくる島民の動画を見てきた。

こうやって日本語も変容して多様化するのであろう。

Q:日本語は簡単になっていくのではないかと言われている。敬語法は既に変容しつつある。会社で実感する。
A:yes、英語のみならず中国語の単語も用いられるようになるのではないか。

クレオール・ニッポン──うたの記憶を旅する

・まわし読みした感想
言語の消滅の問題を想起します。
名も無き庶民に目をむけていて興味深く感じました。